日本海学グループ支援事業

2023年度 助成概要と研究成果


日本海学グループ支援事業

2023年 助成概要と研究成果

 日本海学研究グループ支援事業の概要とその研究成果を公開します。

1.応募件数及び助成決定件数

 応募総数    11件(新規事業8件、継続事業3件)

 助成決定件数  8件(新規事業5件、継続事業3件)

2.助成金額

 上限50万円(概ね総事業費の1/2程度で審査会で決定) 

3.助成を決定した事業の応募者及び事業名

申請者

事業名等

事業の概要

大庭 孝夫

古代日本海沿岸地域における海人の考古学的研究

弥生~古墳時代前期、玄界灘沿岸地域と日本海沿岸地域では碧玉製玉類や鉄製武器などを交換財として、日本海を通じた活発な長距離交易が行われたことが出土品から明らかになっているが、その交易にあたっては、両地域の海人が直接的な担い手として関与したことが想定される。海人が直接伝えた道具である漁具を考古学的に比較検討することで、日本海を通じた海人の活動の実態を明らかにする。

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橋本 裕之

日本海沿岸部における中世前期の祭礼芸能に関する文化資源学的研究

日本海沿岸部は中世前期に淵源する祭礼芸能が数多く分布している。特に、王の舞や獅子舞は福井、石川、富山で伝承され、地域社会に定着して個性的な民俗芸能に発展している。中世前期の祭礼芸能が各種の文化資源として機能している様態を分析する。

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荒川 隆史

ヒスイ原産地遺跡から見た縄文~古墳時代におけるヒスイ素材の供給について

ヒスイ原産地は、国内に12か所確認されているが、玉の素材産出地は新潟県糸魚川地域のみである。縄文時代から古墳時代における東北、北陸、東日本でのヒスイの生産について取り上げ、ヒスイ素材の供給の実態を研究する。

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小木曽 正造

九十九湾沖合海域の海底地形図作成と底質粒度・動物相の解明、マシコヒゲムシの新たな生息地の探索

富山湾中心に向かって急激に深くなる能登半島九十九湾沖において、水深300mまでの広範囲な詳細な3D海底地形図を作成する。さらに水深200~300mの深海域で海底堆積物を採取し、底質の粒度組成と動物相を明らかにする。これまで浅海域でしか見つかっていない環形動物マシコヒゲムシの深海域における生息地を発見する。

※令和6年能登半島地震の影響で、年度内の研究の継続が困難となったため、研究成果は次年度に掲載する予定です。

富山県立魚津工業高等学校

環境科学部

代表 髙栁 真里子

工業高校生による地域資源を利活用した水環境の保全技術の提案

太陽光パネルやプラスチック、人間活動で排出される廃棄物による土壌や水質への影響を調査研究し、安心・安全に生活できる情報発信や新しい水環境保全技術の提案を行う。さらに、調査研究活動を通して、生徒児童が環境問題に興味関心を抱く啓発活動を実施する。

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経沢 信弘

日本海の発酵文化

北陸、山陰や九州の日本海にかけて発酵文化を調査研究し、発酵文化がどのようにして伝播していったのかを探る。

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納屋内 高史

先史農耕社会における富山湾資源利用史に関する基礎的研究 ―富山県氷見市大境洞窟遺跡出土資料の再検討―

先史農耕社会というべき弥生時代を中心に、日本海沿岸における富山湾沿岸の資源利用の縄文以来の伝統とその変化を明らかにする。主たる分析対象を富山県氷見市大境洞窟遺跡出土資料とする。

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萩原 大輔

富山県「呉東」「呉西」地域区分の成立過程に関する文献史学的研究

呉羽山を境にした「呉東」「呉西」の地域区分の成立過程を具体化することで、富山県にとっての呉羽山、環日本海地域における呉羽山の歴史的位置づけを図る。

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