出版等事業:「日本海学の新世紀」シリーズ (全国の一般書店と、富山県刊行物センターのみで販売)
日本海学の新世紀2「還流する文化と美」
-
編集:青柳正規/ロナルド・トビ
企画:富山県国際・日本海政策課/日本海学推進会議
発売所:株式会社角川書店
発行年月:2002年3月31日初版価格:1365円
はじめに | ||||
1 | 日本海学の提唱とこれからの歩み | 日本海学 推進グループ |
富山県生活環境部 国際・日本海政策課 |
概要 /詳細 |
いま、富山から日本海ルネッサンスの胎動-(2000年度日本海学シンポジウム)- | ||||
2 | 基調講演「新世紀に求められる地域学」 | 榊原英資 | 慶応義塾大学教授 | 概要 |
3 | パネルディスカッション 「日本海学と新世紀の文明の創造」 |
丹羽昇 | 富山大学教授 | 概要 |
大塚和義 | 国立民族学博物館教授 | |||
小泉格 | 北海道大学大学院教授 | |||
藤田富士夫 | 富山市教育委員会 埋蔵文化財センター所長 |
|||
丸山茂徳 | 東京工業大学大学院教授 | |||
安田喜憲 | 国際日本文化研究センター教授 | |||
還流する文化と美 | ||||
4 | 日本海と地中海-豊かな海域をもとめて- | 青柳正規 | 東京大学大学院教授 | 概要 |
5 | 環日本海 美の交流 | 武田佐知子 | 大阪外国語大学教授 | 概要 |
6 | 渤海と古代日本-日本海を結ぶ交流- | 酒寄雅志 | 國學院大學栃木短期大学教授 | 概要 |
7 | 四方の大地 四季の風光-環日本海美術の千年紀- | 小川裕充 | 東京大学東洋文化研究所教授 | 概要 |
8 | 中世の北"海"道-宮腰津・放生津・直江津- | 村井章介 | 東京大学大学院教授 | 概要 |
9 | 土器は神-新しい思い(エッセイ) 日本海から | 小島俊彰 | 金沢美術工芸大学教授 | 概要 |
10 | 日本海をつなぐ箏音(エッセイ) | 中山妙子 | 箏曲作曲家 日本文化交流センター代表 |
概要 |
11 | 一五、一六世紀における対馬/対馬島と朝鮮 -境界をどう見るか |
ケネス・ロビンソン | 国際基督教大学社会学科助教授 | 概要 |
12 | 環日本海の富岳遠望 | ロナルド・トビ | 東京大学大学院教授 イリノイ大学教授 |
概要 |
13 | 漂着朝鮮人の日本認識 | 河宇鳳 | 大韓民国全北大学校 人文科学大学史学科教授 |
概要 |
14 | 異文化情報源としての漂流記 | 池内敏 | 名古屋大学大学院文学研究科教授 |
概要 |
15 | 新世紀に蘇る翡翠美(エッセイ) | 野田雄一 | 富山ガラス造形研究所助教授 |
概要 |
16 | BeSeTo演劇祭のこと-日本海を越えた演劇交流(エッセイ) | 斉藤郁子 | (財)舞台芸術財団演劇人会議常務理事 | 概要 |
17 | 海をめぐる日本と韓国の美術 | 太田昌子 | 金沢美術工芸大学教授 | 概要 |
18 | 日本海をめぐる工芸の美 | 三船温尚 | 高岡短期大学助教授 | 概要 |
19 | 日本文化に影響したアイヌ文化 | 大塚和義 | 国立民族学博物館教授 | 概要 |
20 | 日本と韓国の陶芸文化-ろくろからの眼 | リンダ・ソーヤ | 陶芸作家 | 概要 |
新世紀、大阪から見つめる文明と海-(2001年度日本海学シンポジウム)- | ||||
21 | 基調講演「文明と海」 | 青柳正規 | 東京大学大学院教授 | 概要 |
22 | パネルディスカッション 「文明と海-地中海と日本海の比較から」 |
青柳正規 | 東京大学大学院教授 | 概要 |
伊東俊太郎 | 麗澤大学教授 | |||
小泉格 | 北海道大学名誉教授 | |||
武田佐知子 | 大阪外国語大学教授 | |||
ロナルド・トビ | 東京大学大学院教授 |
1.日本海学の提唱とこれからの歩み 問題の所在 逆さ地図からの発想 日本海学とは 日本海学が浮き彫りにしつつある課題(地球温暖化/海洋研究/環日本海の文化) 新たなパラダイムの創造に向けて ↑ 2.新世紀に求められる地域学 →別掲 ↑ 3.日本海学と新世紀の文明の創造 →別掲 ↑ 4.日本海と地中海-豊かな海域をもとめて- 地中海の十字路-シチリア シチリアのギリシア世界 ローマ軍の侵攻と波乱の歴史 日本海域と異質な歴史と文化 ↑ 5.環日本海 美の交流 環日本海の交流は海人のネットワークによって担われていた。 古くから玉・青銅や貝などの交易があった。 潟が拠点とされ、出雲大社は神殿であると同時にランドマークとしての世界貿易センタービルであった。 ↑ 6.渤海と古代日本-日本海を結ぶ交流- 渤海の誕生から滅亡へ 古代の日本との交流 菅原道真と渤海使 ↑ 7.四方の大地 四季の風光-環日本海美術の千年紀- 四方四季の庭と障壁画 陰陽五行説とは? 四方四季障壁画の成立と展開 四方の大地 四季の風光 ↑ 8.中世の北"海"道-宮腰津・放生津・直江津- 北"海"道は中世の表通り 日本海に沿う物流 (道行きと人買い/ローカル・ルート) 加賀宮腰津 (加賀の諸湊/大野庄と野々市の守護所/対外交通) 越中放生津 (守護所と「関東御免津軽船」/「放生津湊船/「六道寺の渡」を過ぎて/時衆と湊・問) 越後直江津 (湊町直江津と政治都市府中/人商人たち-「さんせう太夫」からの読み取り(1)/湊の情景-「さんせう太夫」からの読み取り(2)) 朝鮮侵略と海運再編 ↑ 9.土器は神-新しい思い(エッセイ) 日本海から 縄文土器は世界の中でも最も飾りたてた土器である。 特に、細かな作業を行った動物顔の把手を付けたものは、富山湾を中心とした北陸が最古である。 ↑ 10.日本海をつなぐ箏音(エッセイ) 日本音楽の起源は西南アジアから北方の中国・ロシアであろう。 弦楽器を奏でるとき、その旋律はどこか哀調を表現する。 ↑ 11.一五、一六世紀における対馬/対馬島と朝鮮-境界をどう見るか はじめに 国内官職の利用 文引の発行 終わりに ↑ 12.環日本海の富岳遠望 加藤清正と文禄の役 富士山・四つのイメージ フィクションから「サイエンス」へ ビシュアルの異国富士 海を囲い込んで ↑ 13.漂着朝鮮人の日本認識 はじめに 李志恒が見た近世の蝦夷 楓渓大師の目に映った一九世紀初の長崎 むすび ↑ 14.異文化情報源としての漂流記 李志恒『漂舟録』 蝦夷地での体験 見聞と伝聞 李徳懋の記録した蝦夷地 ↑ 15.新世紀に蘇える翡翠美(エッセイ) 越翡翠硝子をいのちある「かたち」として育んでいきたい。 縄文の美が時空を超え現代の感性で蘇るのも遠くはない。 ↑ 16.BeSeTo演劇祭のこと-日本海を越えた演劇交流(エッセイ) 日本・中国・韓国の舞台芸術は驚くほど多様である。 BeSeTo演劇祭が芸術家たちに影響を与え、三か国間の新たな文化交流地図が描かれる日もそう先の話ではない。 ↑ 17.海をめぐる日本と韓国の美術 日本・韓国・中国の文化は共通点も多いが、興味深い差異もある。 日本では水を海を主題とした浜松図として描いたが、中国では山水図であった。 日本の中世末には「日月山水図屏風」という作品群が現れるが、韓国にもこれに見合う作品群があり、元来は中国の山海経の主題を翻案したものであろう。 ↑ 18.日本海をめぐる工芸の美 吉田さんと工芸 工芸の移り変わり 工芸の美しさ 古代から続く日本海の路 美しく生きたいという願い ↑ 19.日本文化に影響したアイヌ文化 京都祇園祭の山鉾を飾る蝦夷錦は、華麗な異国情緒を演出しおり、アイヌ文化の様々な影響も入っていたと考えられる。 和人とアイヌの交易が請負商人に委ねられて以来、過酷な収奪が進んだ。また、蝦夷地への関心も高まり、コンブ、サケが食生活に入ったことを始め、衣服、玉等々、様々物が伝わった。 近代に入り、アイヌ文化が否定され、アイヌには、日本化が強制された。 ↑ 20.日本と韓国の陶芸文化-ろくろからの眼 韓国から日本への陶芸の伝来は、四つの波に整理することができる。第一波は、弥生時代で素朴な技術のもの。第二波は、ペクチェ王国からの影響で日本の六古窯等となったもの。第三波は、豊臣秀吉侵略の際に陶芸家を連れてきて伝わったもの。 さらに、第四波は、柳宗悦、浜田庄司、バーナード・リーチ等により伝えられ「民芸運動」の引き金となったものである。 日本人はきれいに見せることに努力し、韓国人は大きく見せることに努力すると言われる。この結果、かえって韓国の陶芸家は、日常生活用でなく、美術を創作する芸術家となっている。 ↑ 21.基調講演「文明と海」 →別掲 ↑ 22.パネルディスカッション「文明と海-地中海と日本海の比較から」 →別掲 ↑ |