海の信仰
縁起(えんぎ)のよい七福神という神様たちのなかに、恵比寿様(えびすさま)という神様がいます。このエビスという言葉には、遠い見しらぬところからきたという意味があります。
また、山陰(さんいん)地方では、セグロウミヘビを八百万の神が出雲にこられるときに先どうする使いの神様だと信じ、「龍蛇様(りゅうじゃさま)」とよび、浜に打ち上げられたウミヘビを、神社に奉納(ほうのう)するようになりました。
このように海のかなたから漂着(ひょうちゃく)するものを、神様や何かふしぎな力をもつものとして信じることを、「寄り神の信仰(よりがみのしんこう)」といっています。日本海の沿岸には、このような寄り神の信仰が伝わる寺や神社がいくつもあります。