生きものが教えてくれる地球の今

今、地球上でどれくらいの野生生物が、絶滅(ぜつめつ)の危機にさらされているか、知っていますか?
レッドリスト(※)によると、2011年の段階で、その数、実に1万9,000種。しかも、この数字は、これからさらに増えてゆくと予想されています。
野生生物は地球の自然環境そのものです。環境が悪化すると、野生生物はだんだんと姿を消し、気づいたときには絶滅してしまっているものもあります。これは、わたしたち人間にとってもかけがえのない地球の自然が、少しずつ、しかし、確実に失われている証です。現在、どの野生生物が、どれくらい危機にあるのかを調査することは、地球に何が起きているかを知るうえでもとても重要になります。

いま、地球に何が起きているの? 野生生物がそれを教えてくれているよ。

日本海を遊泳するツチクジラ
(2004年7月新潟県親不知沖)

日本海を遊泳するツチクジラ 撮影:伊藤栄悦

※「レッドリスト」「レッドデータブック」とは?

レッドリストとは、絶滅のおそれのある野生生物の種の一覧です。また、レッドリストの生物種について、生態・分布・生息状況などのくわしい情報をまとめた「レッドデータブック」も作成・公表され、野生生物とその生息場所を守るために役立てられます。
レッドリストとレッドデータブックのとりまとめは、IUCN国際自然保護連合(こくさいしぜんほごれんごう)が1966年から全世界の野生生物を対象におこなってきました。また、日本の野生生物については、環境庁や各都道府県でもとりまとめています。