環境にやさしい海洋エネルギー

地球温暖化の防止のために、二酸化炭素（CO²）を出さない、クリーンな自然エネルギーの開発がおこなわれています。太陽光や風力を活用した自然エネルギーはよく知られていますが、海にもたくさんのエネルギーがねむっていることを知っていますか？
日本は四方を海にかこまれています。海洋エネルギーは環境にやさしく、しかも半永久的に取り出すことのできる、海からの無限エネルギーです。その開発にますます期待が高まっています。

波力（はりょく）発電

海洋エネルギーを利用した発電のなかでも、日本で注目されているのが、沿岸域での「波力（はりょく）発電」です。波による海面の上下運動を利用して発電する方法で、すでに航路標識（こうろひょうしき）などの電源として実用化されています。また、山形県酒井市では、沖合２kmの防波堤（ぼうはてい）の一部に波力発電の装置を取りつけ、そこで発電された電気を陸へ送る実験もおこなわれています。波力発電の研究・実用化で、日本は世界をリードしています。

潮流（ちょうりゅう）発電

海峡（かいきょう）など潮の流れが速いところでは、潮流によってタービンを回す「潮流（ちょうりゅう）発電」がおこなえます。明石海峡にかかる明石海峡大橋には、潮流発電を利用した灯浮標（とうふひょう）という海の標識が設置されています。夜間、点灯して船に航路やしょうがい物の存在を知らせ、海峡の安全を守っています。