広がる海洋汚染

1997年1月、島根県の隠岐島(おきのしま)の沖で、ロシアのタンカー船「ナホトカ号」が悪天候のために海にしずみ、船の一部が重油を流しながら、福井県や石川県の沖まで流れてきました。
海上保安庁(かいじょうほあんちょう)や海上自衛隊(かいじょうじえいたい)が中心となって、漁師やボランティアの人たちも必死に重油の回収をおこないましたが、冬の日本海の強い風と波にはばまれ、思うように作業ははかどりませんでした。 この事故で、海鳥の羽が油まみれになり飛べなくなったり、海や磯(いそ)の生物が大量に死んでしまい、最終的に大きな被害をうけた生物は19種にもなりました。
また、海辺にはさまざまな漂流物(ひょうりゅうぶつ)が見られます。ポリタンク、缶、ビン、ビニールくずなどがあり、なかには海の生物が間違って食べてしまう危険なものもあります。

ナホトカ号の汚染駆除(くじょ)作業

大変だ!森林が燃えているよ。この火災は地球の温暖化に原因があるようだ。 海洋汚染には他にも いろいろな原因があるんだ。日本海を汚染から守るにはどうしたらいいんだろう?

日本海を汚染させるさまざまな原因

日本海を汚染させるさまざまな原因

海洋汚染の原因には、海上で起こるものだけでなく、陸から持ちこまれるものもあります。工場や家庭から出る排水、川から流れこむ農薬やダイオキシン、海岸や川にすてられたゴミ、あるいは対岸から流れつく漂着(ひょうちゃく)ゴミなどです。 それらの汚染物質は、日本だけの努力で防げるものではありません。日本海の恵みを分けあう国や地域の協力が必要です。