消える環日本海の森林
森林は、降った雨を地面にためておく自然のダムの役割や、野生生物のすみかとしても大切です。
また、海を豊かにしているのは、森の植物です。森の土から流れ出た栄養分は、川から海へそそぎ、海の生きものを育てる栄養分となります。しかし、毎年10〜20万平方キロメートルの森林が地球上から消えています。
環日本海地域のなかで、ロシアのシベリアから日本海沿岸までの地域には、「シベリアタイガ」とよばれる広大な森林があります。その広さは全世界の森林面積の20%以上といわれ、たくさんの二酸化炭素(CO2)を吸収していることから「地球の肺(はい)」ともよばれています。
ところが、この森林が近年、燃えつづけているのです。
その原因として、地球の温暖化(おんだんか)の影響をうけて、シベリアタイガの下の「永久凍土(えいきゅうとうど)」とよばれる一年中こおった土がとけて、乾(かわ)いた森になり、自然火災が起きていると考えられています。しかも、日本では想像もできない何十キロにもおよぶ広さで燃えています。