海の伝説

日本では古くから、海の向こうや海底には不老不死(ふろうふし)の国があるという伝説が語りつがれてきました。
有名な昔話「うらしま太郎」は、京都府の丹後(たんご)半島の『丹後国風土記(たんごこくふどき)』にでてくる話です。
助けたカメにつれられ、海底の竜宮城(りゅうぐうじょう)にいったうらしま太郎が、もとの世界にもどって、たまて箱をあけると、老人になってしまうという話は、みなさんもよく知っているでしょう。
また、若狭(わかさ)の国のとある漁村では、浜に打ち上げられた人魚を食べてしまった娘の伝説が残っています。
娘は人魚を食べてしまったばっかりに、10代の美しさを保ったまま800歳まで生きました。けれども、結婚しても必ず夫に先立たれてしまい、最後にはこの世をむなしく思い、岩あなに消えてしまいました。この「八百比丘尼(やおびくに)」の伝説は、 福井県の小浜市(おばまし)から北にかけての日本海沿岸 に広く残っています。
このような海の伝説は、日本海沿岸の各地にたくさんあります。昔の人は、海の向こうや海底に、なにか神秘(しんぴ)的なものを感じていたのかもしれません。

なんだか、ちょっとこわい話だね。 見知らぬ海の向こうや深い海の底は、昔の人たちの想像力をかきたてたんだ。

八百比丘尼の伝説がのこる岩あな

八百比丘尼の伝説がのこる岩あな