恵みの多い日本海
日本海の自然を豊かにしているのは対馬海流(つしまかいりゅう)です。対馬海流そのものには、あまり栄養分がありません。けれども、日本海を北上するうちに、川から流れこむ栄養分と入りまじり、
栄養豊かな海域となり、さまざまな魚類や生物がすむようになります。
日本海のまんなかあたりは、北からの冷たいリマン海流と南からの暖かい対馬海流との境目になります。潮の流れによって、冷たい海にすむ魚と暖かい海にすむ魚の両方が見られます。
また、深層の海水は、低温で窒素(ちっそ)やリンなどの栄養に富んだきれいな水です。この海水も深層の海流によって栄養分がいきわたり、深い湾や海底にすむ、めずらしい魚類も見られます。
そして、これらの豊富な水産資源が人びとに多くの恵みをもたらしています。