天然のいけすとよばれる魚介の宝庫
富山湾の表層には、日本海を北上する暖かい対馬海流の一部が能登半島に沿って入りこみ、この流れに沿って暖流系の生物が入ってきます。
また、水深300m以上の深いところには、一年中2℃前後と低温で、富山湾の容積の約6割をしめる「日本海固有水(にほんかいこゆうすい)」とよばれる深層水があり、ここには冷水系の生物がすんでいます。
また、海岸に近いところには、大小の河川から栄養分が運ばれ、魚のエサとなるプランクトンが豊富です。
このように、富山湾は変化にとんだ環境から、「天然のいけす」とよばれるほど水産資源が豊富で、日本海に分布するとされる約800種のうち約500種の魚介がすんでいます。
富山湾は、日本海側の中央に位置し、西側を能登(のと)半島に守られた内海です。もっとも深いところは水深1,200m以上もあり、太平洋側の駿河湾(するがわん)、
相模湾(さがみわん)とならんで日本を代表する深い湾のひとつでもあります。
富山湾の地形は、浅いところが少なく、岸近くから急に深くなっていることが大きな特徴です。また、海底は深い谷(海底谷)が刻まれた、ふくざつな地形をしています。
海底谷がせまり、岸から急に深くなっているところは、の青さが一段とこく、深い藍(あい)色をしています。その色から「あいがめ(藍瓶)」とよばれ、
シロエビやバイ貝、ベニズワイガニなどのかっこうのすみかとなっています。