酸性雨・酸性雪とは?
石炭や石油などの化石燃料を燃やしたときに出る硫黄酸化物(いおうさんかぶつ)や窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)が大気中へ出されると、水にとける硫酸(りゅうさん)や硝酸(しょうさん)という物質に変化します。
これが強い酸性をしめす雨や雪となって地上へ降ってくるものを、酸性雨(さんせいう)・酸性雪(さんせいせつ)といいます。酸性雨・酸性雪は北陸地方だけなく、日本列島の広いはん囲で観測されています。
また、冬期に酸性度が強くなるのは北西の季節風によって、大陸から硫黄酸化物や窒素酸化物が飛んでくるからだと考えられています。
酸性雨や酸性雪が長くつづくと、森林が枯れたり、湖や沼の魚が死んだり、コンクリートでできた建物がとけるなど、環境にさまざまな影響をおよぼす可能性があります。
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酸性雪の被害が心配される北アルプスの自然
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雪は雨とちがい、積もれば長時間、木や地面をおおうことになります。酸性雪に長時間うもれていれば、木は枯れてしまいます。長い年月をかけて育ったブナの原生林やスギの巨木など北アルプスの貴重な自然にも、その影響が心配されています。