北陸のヒスイが東北に?
ヒスイは、その緑色にかがやく美しさから、古代の人びとが身につけるアクセサリーなどに加工され、大切にされてきました。ヒスイの原石のほとんどが富山県と新潟県の県境付近の日本海にそそぐ青海川(おうみがわ)と姫川(ひめがわ)の上流の小滝川でとれます。
ところが、青森県の三内丸山(さんないまるやま)遺跡を調査すると、この青海川や小滝川でとれたヒスイの加工品が発見されたのです。北陸のヒスイがなぜ東北にあったのでしょう。
しかも、そのほかにも山陰(さんいん)地方、九州地方など、日本海側の各地の遺跡から発見されているのです。このことは、なにを意味するのでしょう。
考えられるのは、ヒスイ加工品は縄文時代には日本列島の南北におよぶ広い範囲(はんい)で、日本海を丸木舟で運ばれていたということです。
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新潟県糸魚川(いといがわ)産のヒスイ大珠
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